2017年6月5日(晴)
(草津~関)
今日も快晴。草津駅からの出発です。当初石部宿を通り、水口宿までの予定でしたが…。
いつものようにまずは国道を走り、栗東を過ぎたあたりからは国道の両側に、田舎の風景が広がってきました。昼食にお好み焼きを食べた後、そろそろ水口かなと思い、通りすがりの人に訪ねました。
えっ、もう過ぎてたんですか…。
水口を過ぎると関まで駅はありません。でも関に行くためには標高700m台の鈴鹿山脈を超え、さらに今日の走行距離が50kmに及びます。引くのも一つの選択ですが、足の調子もまずまず。よし、チャレンジしよう!
という事で自己最長記録に挑みました。水口からは歩道がない区間は旧街道を進みます。街道沿い独特の古い町並みが、時代を超え浮世絵の世界を感じさせます。
やがて土山宿を超え、鈴鹿山脈の上りにさしかかります。そこまで急ではないが、40km走った後のこの長い上りはキツすぎる。それでも耐えて走り続けます。
やっとの事で峠のトンネルを越えるとV字谷の山深い斜面が広がり江戸時代の大動脈がこんな険しい山を越えてたのかと感動いたしました。
それもつかの間。トンネルから1kmちょっと下った所で、目を疑う出来事が起こります。
50m前方に3匹の動物が左の谷側から出没。
えっ!野犬?それにしては太い…。猪にしては歩き方が違う。黒く前後1mくらいの丸みを帯びた体を、前後に大きく揺さぶりながら、どこか愛らしい走り方。
え!これってクマ?!
逃げる所がないぞ!と立ち止まっていると、あっという間に車道を横切り反対側へ走り去っていきました。
また戻ってくるかもしれないが、再びトンネルをくぐり電車のある水口まで戻る元気もない。前進しかない!
そう思い、立ち去った後の歩道を一気に駆け抜け、後はひたすら逃げました。
取り敢えず追いかけて来ない事を確認しましたが、山中また出没しないとも限らないため、3kmほど離れた集落まで一気に下りました。
そこからは傾斜も緩やかになり、やがて関宿に到着しました。

あまりの出来事に、途中の坂下宿がどこだったかわからないまま、今回の旅は終わりました。関西線の2両編成のジーゼル機関車で山間部をゆられながら、今日1日の出来事に思いを寄せ、帰路につきました。

帰宅後に調べましたが、遭遇したのは恐らくツキノワグマと思われます。三重県と亀山の警察に届け出たところ、その辺りでは月に1度は発見されているそうで、出会い頭でなければ襲ってこないそうです。でもツキノワグマは肉食で、日本全体では年間140人くらいの襲われる被害があり、毎年2,3人が亡くなっているそうです。ほんの数秒早く走っていたらと考えると、本当に運がよかったと思うばかりです。

クマに襲われたくはありませんが、クマの生息地を脅かし、人が簡単に山奥に入れてしまうから遭遇するのかもしれませんね。

今日の走行距離:51.5km
所要時間:7時間30分
豊中からの合計距離:115.5km